【注目新刊】還暦後の40年

タイトル 還暦後の40年 データで読み解く、ほんとうの「これから」
著者 長澤光太郎/編著 吉池由美子/著 柏谷泰隆/著 古場裕司/著 田上豊/著
出版社 平凡社
発売日 2023年2月10日
税込価格 1,760円
日本人の平均寿命が男性81.47歳、女性87.57歳となり、「人生100年時代」という言葉が人口に膾炙している。人口的にみても、60歳以上の高齢者が4,263万人(令和4年推計)で、総人口に占める割合は約33.9%。実に3人に1人が還暦過ぎということになる。還暦後も長く生きる人がこれほど多数出現したのは最近のことであり、人類が初めて直面する社会とも言える。

その一方で、還暦後の人生イメージについては各個人ばらばらという状態のままだ。寿命は延びるものの、健康面(2人に1人はがんになる、認知症リスク)、経済面(年金だけでは足りず、2000万円の貯蓄が必要)、生活面(高齢者運転手の事故、孤独死)での暗い予測が蔓延し、それがシニア世代の将来不安を煽っているのが現状といってもいい。

しかし、還暦後の人生は、ほんとうに、そんなに不安に満ちたものなのだろうか?

この疑問に、日本を代表するシンクタンク三菱総合研究所が取り組んだ。統計や資料の扱いについて第一人者の研究員たちが、現実の統計数値を新たに組み合わせて分析し、イメージではなく事実に基づいた還暦後の「ほんとう」を描き出した。そこで分かってきたことは、還暦後も半数以上の人が、病気や寝たきり、認知症と関係なく、それまでの人生とはあまり変わりなく健康に生活し、90歳を迎えることができるということだ。

本書は、いわば、「還暦後のFACTFULLNESS」だ。還暦祝いのプレゼント本としてもおすすめの1冊。